第3話『高設定は高設定で辛い』

きたる10月10日。僕は朝の時点でもちろん会社になどおらずパチンコ屋にいた。
土曜日だからね、休みだもんね。嬉しいもんね。
昨晩に練りに練った作戦とたっぷりの睡眠、そしてこの闘志。
起きたら作戦は忘れているしなんなら作戦途中で寝落ちしたし闘志は抽選引いて172番だった時点でしぼんじゃったしコンディションとしては最悪なんだよ。

普通は悪い番号を引いた時の作戦を考えるべきだが僕みたいなクズだと良い番号の時の作戦しか立てないのである。良い番号しか引ける気がしないのである。
クズはポジティブなのである。
あるあるうるさくなったである。

だがしかしたかし僕からすると良い番号引いた時の作戦すら寝て忘れてるからもはやどうでもいい。
再整列までの間にこの上ない最上級な作戦を立てればいいだけ。

番号は悪い。頭も悪い。だが気分は良い。パチスロ朝から打てるんだもん

話を本題に戻そう
抜け番はあるとは言え絆2やリゼロや番長3などには座れない。
この店の強い台には座れないのはわかっちゃいるが今日は10月10日、そう10月10日なのだ。
TOTOの日だと思ったあなたはさっさとトイレに走ればいい。


他にも必ずあるはずなんだよね。多分。
ないと困るんだよね。必ず。


「さあ、入場だ」
172番がニヒルな笑みを浮かべてカッコつけてもカッコ悪いだけである
1番はもう打ってるのである


入場し空き台を探す、探す、探す
絆ダメ。リゼロダメ。北斗ダメ。凱旋ダメ。まどマギダメ。番長系ダメ。マジハロダメ。エウレカダメ。
マイジャグダメ。ディスクアップは…空いててもダメ。
入りそうな台が全滅に近いかなーバラかなーとか思ってたらもう1周した時に北斗の天昇がなぜか空く、若者が移動しとる
僥倖…神の悪戯か…ありがとう悪戯…

なぜ空いたかはわからないが何はともあれスッと座って打ち出す。
200G代の断末魔から素直にあたり筋肉バトルというなのリプレイ次第ゲーへと移行する。
貯めた玉は2つ。小役レベルは2。出来レがなんだとか言われてますが実際のところはどうなの?
普通にあっさり勝ったよ?2だよ?レベル。
まだだ…まだ喜ぶな…。

そう考えていた自分も居ましたよ、えぇ。
3000回して最大ハマりが450でほぼ負けないケンちゃんを見るまではね!!!

6じゃん!絶対とは言わないし確定系は456枚しか出てないけどこの挙動さすがに6っしょ?6だよね?
ありがとうケンちゃん、いやケンさん
そして朝の若者よ。何が飲みたい?おじさんが差し入れてあげるよ

マスクはしてるが顔は笑っている、頭上には2000枚以上のコイン。たっぷりの時間。これだよこれが醍醐味ってもんだろ?
6号機つまらんとか言ってる奴ら出てこいよ!楽しいぞ6号機!楽しいぞ天昇!!

そう考えていた自分も居ましたよ、えぇ。
いや確かに負けないし勝つし玉とか何なの?ん?って感じでラッシュには入るんだけどね
痛い腰。疲れる目。勝てない年齢。
20時の頃にはまだぶん回してた自分を見てくれたオーディエンスに伝えたい。
真剣にぶん回してるようには見えるだろうけど腰痛くて立てなかっただけだよ!!!!

それでも21時半まで回してギブアップ
投資が300枚
回収が6222枚なんで5922枚のプラス。
僕…パチプロになれるかもしれない!!!
このすぐ勘違いする性格が勘違いし続けなきゃいいんだけど…。

第4話へ続く
































『作者部屋』
そろそろ画像も入れなきゃダメかね
創作だからそれに合わせて画像撮ってこなきゃダメだけど仕方ないか。撮れる時は撮って話に合わせて挿しこみまーす!

第2話 『残金ある限り戦う狂戦士』

給料日まではあと10日
残金は1万円。言っておくけど貯金なんて大層なものはない。

仕事終わりのホールへ行くなら何を打つかで今後の生活が左右される大事な局面だ

パチスロか?いや少し心許ないな。
なら2円パチンコか?もし負けた時パチスロにしときゃよかったよってなりそうだな。

考えた。最善の策を。絞り出す、最高のクズ脳で。

ならまず3000円くらいパチスロ打ってダムならパチンコにしよーーっと。
なら勝負は早い方がいい!ダラダラなんか打ってられない!

ねっ!カナちゃん!君のランプを光らせて輝かせるからね!3000円だけど。
野口英世1号行きます!ウィーン


野口英世2号行きます!ウィーン





野口英世3号行きます!ウィーン…





なんで?なぜよ?どうしてよ?
たしかに勝負は早い方がいいよ。話早い方がいいよ。
けど早すぎるじゃない。もうここまできたら後になんか引けないから!

…これである。いつもこうして全てを失いホールを後にした何分後にたらればを言い始める…のだが今日は違った!

7人目の野口がウィーンした直後にそれは起こった

何気なく押した左リールに止まる中段のチェリー
約50%でフリーズである。
フリーズがわからない人の為に説明すると本来パチスロはリールが回ってその回るリールを打ち手がボタンを押しリールを止めて揃った役でわーきゃーうふふする遊戯である。
だがパチスロにはフリーズといってしばらくの間リールが回らず打ち手のいうことも聞かず仕事放棄のような状態になることがあるのだ。
仕事放棄をした代わりにこれから先は心入れ替えてあなたの為に誠心誠意コイン吐き出しますよっていう決意の表れなのだ。
いわばフリーズはリールが大人の階段を登るようなそんな微笑ましくもあることなのだ。
あなたの為にコインを出しますよって言うのなら僕は戦士から狂戦士へとなろうじゃないか
ただコインを出させる為だけに全力を注ぐバーサーカーへとな!!!!!はっ!!

だが僕はすぐにその狂戦士状態から通常戦士へと心を戻すことになる。
え?どうせすぐ連チャン終わったんだろって?沖ドキのフリーズに期待しすぎなんだよクーズって?

えぇ、まぁ連チャンすぐ終わりましたよ。だけどあなたが思ってることとは1つ違うことが下の矢印を辿れば書いてあるわよ



































その後通常戦士は400枚程のコインを道化師に破壊され
3000円をパチンコに入れ気付いた時には残金が452円になり明日からの生活を見つめ直すのであった
もちろんホールからの帰り道であそこでフリーズしてればってたらればを言ったのは言うまでもない。

第3話へ続く




























『作者部屋』
朝の電車でここまで書いてあと10秒で駅に着くので今回はパスで!パスパス!

第1話 『クズから始まる異世界生活』

「また、負けた」

この言葉を何回言っただろうか?
何回心で叫んだんだろうか?

この言葉が誕生日ならば僕は遠い昔に骨になっているだろう。
だが実際に誕生日とは1年に1回しかやってこないもので今年30を迎えた。
名前はワタル。名字はパチンカス。セカンドネームはクズ
パチンカス・クズ・ワタル

名字からもわかる通りパチンコパチスロが好きなのだ
ギャンブルが好きだというよりはパチンコパチスロが好き。
18歳から通い始めたパチンコ屋さんへもう12年も通い続けている。
キャバクラならばお気に入りの子を落とせててもおかしくはない。
大学生ならば世間からの目が痛く感じて仕方がない
社会ならばそれなりの中堅どころになっているかもしれない。
それくらいだ、それくらいの年数なのだ、12年は。

だが僕はというとその12年をパチンコ屋さんに通い続けることに消費をしている。
もちろん仕事はしている。クズクズと自覚はしているが仕事はしているのだ。12年働いてはいるのだ
親の世話になり学校に行かせてもらったのだ、就職しないなんてバチが当たる。
今は消費者金融の世話になりパチンコ屋に行かせてもらっている。成長してるのだ。
中堅どころか窓際に等しい存在ながら仕事はしている

打つことしか取り柄がない…いや取り柄ではないがこの打つことを僕から取ると何もないのだ
上記を見てもらえればすぐわかるが何もないのだ

だから僕は打つことにした。この途方も無いパチンコ屋というジャングルを気が済むまで冒険したい


心の中での自己紹介はこの辺にして目の前の抽選に集中したいのが本音なのだ
この日は僕達打ち手が勝ちやすいかもしれないねっていう日。ただし抽選という荒波をくぐったらの話。

20分後僕は喜びで胸が高鳴る
ドクンッドクンッと鼓動は聞こえなかったから自分で言った
『『8番』』

よっし!もろた!よし!もろたもろたもろたもろた!!!座れる!狙いに座れる!!もろた!!
座るのはリゼロ。台の説明なんてしない。リゼロ。

この日は必ずリゼロが全6だろ!?勝つから帰りにご飯にから揚げまで買える!!
この程度の物欲しか出ない自分を心底愛している。

開店と同時に目指すお宝の島へ。秘宝へ。



〜5時間後〜

















なぜ?なんで?クジラが勝つの?僕勝たないの?みたいなことに気づいた時には既に3万円失う…夢を見たってなら話はわかるがこれは現実であり幻影ではない

スッと席を立って回りを見に行った時にはもうわかっていた。今日に限ってリゼロじゃないんだよね
店長に絶対俺が座るからって理由でやられたんだ間違いないというスペシャルな被害妄想をしながら今日も店をあとにするクズワタル。

「また、負けた」
でもきっとまた来月は必ず大丈夫!絶対大丈夫!
そう言ってまた明日には来てるくせにっていう店長の心情を察したからこそ僕は明日もまたこの店にくるのであった。

第2話へと続く

※この物語はフィクションです。登場人物等全て架空の存在です。

























『作者部屋』
自己紹介に文章割きすぎたわ、全然創作っぽくなくなっちゃった。
作中のワタルはパチンコパチスロのみですが作者は競馬も大好きなのでこれから明日の予想するんだもんね!

クズ男見参

とぼけながらの初めまして
以前はてなブログ様で書かせていただいてましたクズでございます。

ブログの更新が長い間滞りまして。持ち前のめんどくさがりだったり。

どうしたらちゃんと書いていけるかなと思った結果創作を書こうかなぁと。
基本的には1話完結のクズパチスロ日誌を書いていこーって思ったんよね、うん。

登場する人物、物語は全てフィクションでお送りします。
パチスロに毎日行けないけど行った気持ちになりたいとか今日行ったら負けてたかも、勝ってたかもとかそんな気持ちになりながら見ていただけたら嬉しいです。

作者はごりごりのクズパチンカスなのでたまに作者の実話も混ざるかもしれませんが暖かい目でみていただけたらなと思います。

明日から本編の方始めますのでよろしくお願いいたします。















































『作者部屋』
※作者の心の中の話なので本編等には関係ありません

あー、堅苦しいの疲れるわ
わざわざネクタイ締めてスーツの上着着て書いてるけど疲れるわ。
いくら下半身はパンツ一丁とはいえ堅苦しいの疲れるわ。明日からありとあらゆるパチンカスに見てもらうように頑張るから。まずタバコ吸おう。